男性ホルモンのコントロールと前立腺ガンの予防
男性ホルモンとは男性だけが持っているわけではなくて、女性もほんの少し持っています。男性の身体には女性の約10~20倍の男性ホルモンが存在します。このホルモンは精力以外にも自律神経のバランスを保つこととか、筋力の増強をはかることにも役立っています。睾丸と副腎から分泌される男性ホルモンの作用によって前立腺が成長し、それと同時にガン細胞も増殖します。男性の場合、高齢になったら男性ホルモンの分泌が衰えるということはありません。だいたいは20代をピークに減少していきますが、一律ではなく、大いに個人差があり、80代の人が20代の人と同程度の男性ホルモンをもっていることもあります。90歳、100歳になっても男である限り男性ホルモンは分泌され続けています。
よくいわれるように、男性ホルモンはガン細胞の栄養となりますので、高齢になっても前立腺とともに前立腺がんは成長し続けることになります。
前立腺ガンの原因としては、食事が重要で、脂肪の摂取量が前立腺がんの発生に最も関係していると考えられています。中でも動物性脂肪、特に赤身肉や乳製品の摂取との関連が指摘されています。
前立腺ガンをふせぐには、食事とともに、まず男性ホルモンの異常な分泌亢進をふせぐことが最大の方策です。
脂肪分の大量摂取も前立腺を守るという観点からはひかえるべきでしょうが、他にも気をつけるべきことがあります。
そのひとつがメラトニン。眠りのホルモンともいわれるメラトニンは概日周期(眠りの周期)が乱れ、その分泌が低下すると、男性ホルモンの分泌が逆に亢進するといったことが起きるようです。
そして、この男性ホルモンが前立腺ガン細胞にとっての栄養、つまりエサになることは広く知られるところです。
ガン細胞というのはどんな健康な人の身体にも日々発生しては消えていっているわけですが、前立腺でも同じことが起きていることでしょう。その細胞たちがこうした亢進する男性ホルモンにさらされ続けることによって、つまりエサの刺激を受け続けることによって、それまではひと粒ひと粒のガン細胞にすぎなかったものが、あるとき突然増殖をはじめることがあるのでしょう。
こういった図式が前立腺ガン発生のメカニズムであろうと推測します。
前立腺ガンをふせぐには、生活パターンの乱れをなくし、できるだけ規則正しい生活をしてメラトニンや男性ホルモンをなだめながら、適度に運動もして、食べものでは動物性脂肪、中でも赤み肉や乳脂肪、卵などは避けることが賢明ですが、どうしても食べたいというひとも、最低限集中的に食さないことが肝要です。
ホルモン剤との併用施術は不利
ホルモン剤による男性ホルモンの抑制が、前立腺ガンにはたいへんよく効きます。ですので、多くの前立腺ガンの患者さんがその治療を受けていらっしゃいます。しかし、当院ではそういう方には、直接前立腺に施術いたしません。なぜかというと、私の術力はどういう場合でも、患者さんの身体を自然で健常な状態にもどそうとしてしまうものだからです。
つまり、せっかく薬剤で不自然におさえていた男性ホルモンが、ふたたび自然のままに開放される、つまりどっと出てくることになってしまうからです。
薬剤の効果を減殺してもいけませんので。
何百も出ていたPSA値がホルモン剤治療で10分の1、100分の1になることが往々にしてありますが、それが施術を受けはじめると、また上がりだすということになりがちです。
それと同じことが乳ガンの場合でも起きて、失敗したことがあります。
→ 乳ガン
前立腺ガンは男性ホルモンを栄養にして増殖すると言われています。
結局のところ、ホルモン剤治療を受けている方については、現在は骨転移している、二、三の方の転移部のみ施術をおこなっているにとどまります。つまり、自然な健康体質をとり戻そうとする当院施術においては、ホルモン剤と併用して前立腺ガンをいきなり劇的に改善するのはむずかしいということです。
もちろん、ホルモン剤治療を受けていない方の場合は他種のガンとおなじように患部にも精いっぱいのパワーをかけておなじように施術しています。
初期の方については、PSAが10~20レベルのケースでも、継続治療によって基準値内、あるいはそれ近くまで改善する例が多くなっております。(もちろん食療治は必須)
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