脂肪の摂りすぎは大腸、すい臓、腎臓、胆嚢、乳、子宮、卵巣などのガンの発生をまねきます。
また塩分の摂りすぎは、胃ガン、食道ガンを、アルコールの摂りすぎは肝臓ガンを、コーヒーの飲みすぎは膵臓ガンをそれぞれ誘発するそうです。
どれもおいしい上、それなりに身体に有用であっても、やはり摂りすぎはよくないみたいです。
ガンによさそうな食べ物だって同じで、これがガンに効くとなると、とうぶんそればっかり食べ続け、それでこと足れりとしている方は実に多いようですが、そうしたハヤリヤマイ的なリキんだ摂取では長続きもしませんし、他に目がいかなくなって視野が狭くなり、つまりません。
たとえばこの、私の書いてるページそのものが、私の知識に偏った、われながら偏狭なシロモノだろうと思うわけですが、このあとに記した「ガンに効きそうな食べ物」をたくさん摂るような食様式をつくり実践し、それを守ろうとすることで、たいていの人はおそらく大いなるストレスを感じることでしょう。
それではダメだと思うのです。
こいつは身体にいいと思いこみ摂取し始めるのはいいのですが、天寿をまっとうするまで、ずっと食べ続けられますか?
なんのストレスも感じることなくです。
そこのところが肝要です。
血が薄くなったと健康診断の数値で知らされて食べるより、ほうれん草しばらく食べてないから食べたくなったと、そういうごく当たり前な欲求にもとづいて食べるのがいいように思います。
また、きっちり量を定めるのもアホらしいです。
きっちり量を計ること自体がストレスになります。
毎日きっちり食べなければならないと決めてしまうのも、ストレスがかかって気に入らないですね。
私のやり方は、身体を健康に導いてくれそうなものをいくつでも好きなだけチョイスしメモして置いておくか、頭の片隅にでも覚えておき、あとはそれらを思いつき次第、食し、飲用しているだけです。量ももちろん決めませんし、食べたいだけ食べ、飲みたいだけ飲んでます。
それでじゅうぶんガンなど防げると考えてます。忘れてるものもいっぱいあります。思い出したら食べればいいと思ってます。
以下に、ガンによさげな食品や食成分を列挙しますが、くれぐれも過剰摂取にはお気をつけください。
特定の食成分の過剰摂取は、それを体外に排出する作業に従事する肝臓、腎臓、膀胱を疲弊させ、そこにストレスをかけ、ときにはそこにガンを発生させることもあるでしょうから。
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ガンに効く食成分
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とりあえず
ビタミン
野菜や果物からビタミンを摂るなら、やはり生の野菜や果物を食べるのがいちばん自然の理にかなってると思います。
ビタミンだけでなく、生の植物にはそれぞれ選別的にガンをみつけ、抑制、あるいは殺してくれる成分がふくまれているそうです。
キャベツ、ブロッコリー、ほうれん草、なす、だいこん、玉ねぎ、豆、きのこ、人参、にんにく、トマト、緑茶etc.
私は野菜より果物が好きなので、ほうれん草、玉ねぎ以外は、ほとんど果物ばかりですが、別に心配はしてません。
梅干し・梅エキス
これはクエン酸のページに書いてもよかったんですが、独特の抗ガン、制ガン能をもつため、生野菜と同じものと考え、ここに書いておきます。
野菜や果物はいくら食べても過剰摂取には陥りませんが、サプリの形で特定のビタミンやミネラルを大量に摂ることは危険です。
とくに、化学的に合成したものは、はっきりいって真の健康をつくるには邪魔になります。ことに石油からつくったようなものは論外です。
どうしてもサプリで摂るなら、特定の種類だけを摂るよりマルチビタミンのような、ビタミン間のバランスを考えて配合されたものを、少なめに摂取すべきです。
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ビタミンA
発ガン抑制効果、治療効果があることはわかっていましたが、過剰障害が起きるため、抗ガン薬としては実用化できません。
やはり自然に食から摂るのが正解のようです。
レバー、うなぎ、モロヘイヤ、にんじん、パセリ、海苔
身体にためておけるので、毎日意識して摂らなくても大丈夫。
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< ビタミンB >
ビタミンB1
はクエン酸サイクルを回す準主役。
→ クエン酸
ビタミンB2
は、ビタミンA、C、Eとともに活性酸素を分解する抗酸化作用をもっています。強い成長促進作用があり、皮膚、粘膜、毛髪を丈夫に育てます。
うなぎ、レバー、チーズ、牛乳、干しシイタケ
ビタミンB17
とよばれたこともあるアミグダリンは、実験的にはガンがほとんど死滅することが立証されているそうです。血液をアルカリ化し、正常細胞の活性化、また鎮痛作用もあるなど、ガンの治療にとてもいいもののようです。
ガン細胞は正常細胞の約16倍もの糖を取り込んで乱費するという特性があるので、この性質を利用して、糖とともにこのアミグダリンをガン細胞に取り込ませるという治療法があります。(IPT療法)
しかしいっぽう、アメリカ国立癌研究所によれば、
「アミグダリンはがんの治療、改善および安定化、関連症状の改善や延命に対しいずれも効果がなく、むしろ青酸中毒をおこす危険性がある」のだそうで、どっちを信じたらいいのかわからないですけど・・
すくなくともアミグダリンを多くふくむ青梅を食べると、青酸中毒を起こすこともあるという現実はみとめなければなりません。
青酸配糖体ですから、体内で分解し青酸化合物ができることはじゅうぶん考えられます。
摂取する場合は量を考えるのはもちろん、過信しないことです。
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ビタミンC
は抗酸化作用や免疫機能増加作用があり、ガン予防効果もあると考えられている栄養成分です。また、胃粘膜の萎縮を抑える能力もあるそうで、ガンのなかでも、とくに胃ガンの予防によさそうとのこと。
高濃度ビタミンC点滴療法
ガンはすでに切除したが、そのあと再発・転移を防止したいということで来院された方ですが、とても疲れっぽくて、だるいという症状を訴えられたので、肝臓を調べてみると、なるほどいささかグロッキーのようで、疲弊してSOSを発している感じでした。なんらかの薬の蓄積のせいであろうと思い、たずねるとガン切除後の、やはり再発・転移防止の目的で高濃度ビタミンC点滴療法をお受けになっているとのこと。
その治療はすぐにおやめいただき、2回の施術で手ごたえ、つまり障害はなくなりました。
ガンを退治するとなると、このような過激な治療法が出てくるのもやむを得ないでしょうが、現在はこの治療も併用はお断りしております。
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ビタミンD
米国の国立癌研究所が、17,000人を研究対象として、ビタミンD血中濃度の高い人は、低い人に比べて大腸がんの発症率が75%低いといった報告をしています。
また、2007年にカナダがん学会は成人では毎日1,000IUを摂取すべきだと勧告しています。
通常はお日さまの光をふつうに浴びていればビタミンDの必要量は身体で生産できるので、それでいいわけですが、血中濃度の低い方はサプリを服用するといいでしょう。
ただし、お日さまとまったく顔をあわさずに、真っ暗なところで暮らしながらサプリだけで間にあわそうとするのはいけません。栄養的にもいけませんが、それ以前に、自律神経失調に陥り、心を病むことになるでしょう。
食品から摂るなら、
きくらげ、しいたけ、あんきも、たらこ、すじこ、メザシ
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ビタミンE
強い抗酸化作用があるのは確かですが、サプリなどで多めに摂ることによって、前立腺ガンを促進するという説もあるようです。これもやはり大量摂取は避けたほうが賢明かも・・
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<希少ミネラル>
セレン、ゲルマニウム
などは発ガンを抑制してくれます。
が、摂りすぎると毒となります。アメリカでは、錠剤サプリによるセレン中毒が起きてるそうです。
ワカサギ、イワシ、小女子など頭から食べられる小魚、あるいはカレイなど海底にへばりつくように暮らしてる魚、また、同じように海底で暮らす貝類にも多くふくまれてます。
あと穀類からも摂れますので、通常の食生活で必要量は足りると思います。
私は小女子とクルミの混ざった佃煮が大好きで毎日食べてるので、足りなくなることはなく安心です。
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<ポリフェノール>
ほとんどの植物にふくまれていて、その種類は何千とあるそうです。
ぶどうに多くふくまれていて、赤ワインを飲んでるとガンにならないという説は有名ですね。
以下によく知られているポリフェノールをいくつか・・
アントシアニン(赤じそ、ぶどう)
肝臓強化。視力を向上させてくれるそうです。
クルクミン(ウコン)
抗酸化作用、抗炎症作用が強く免疫賦活能をもっています。ガンを予防しますし、またたとえ発生したとしても、増殖転移を抑える働きもします。
とくに気にしなくても、ときどきカレーを食べてれば間にあいます。
肝臓を元気にするので、お酒飲みすぎる人にはこれを多くふくむドリンクなども可。
カテキン(お茶)
ガンの予防、初期段階で有効。
動物実験でも肺、胃、十二指腸、小腸のガンに効くことが認められたとのことです。
クロロゲン酸(コーヒー、プルーン)
発ガン物質の生成を抑制します。
イソフラボン(大豆)
骨粗しょう症を予防します。
また、女性ホルモンの代替という意味合いから、更年期の症状を軽減してくれます。
いっぽう男性にとっても、前立腺にいいそうです。
体調を整え、ガンを予防します。
ケルセチン(玉ねぎ)
脂肪の吸収を抑制するほか、ガン予防。
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キチン・キトサン
カニの殻にふくまれる動物性の食物繊維で、ガンにかなり効くそうです。
昔、身近にドラッグストアもなかった時代、カニ殻をすりつぶしたものを塗ってケガや火傷の治療に用いたり、腹痛などに飲用したりして、万能薬的に使われたこともあったようです。
現代、研究が進むにつれ、そうした先人の知恵に輪をかけたすばらしい効能がたくさん発見され、真の万能薬だったのだということがわかってきました。
体内の脂肪分を排出し、血圧の上昇原因となる塩素イオンは吸着して排泄、過剰なコレステロールを下げ、放射性物質や重金属類の体外排出作用もあります。
自律神経を整え、男性ホルモンと女性ホルモンをバランシング、また体液の濃度も適正化して体細胞はもちろん、免疫細胞も活性化するなど、まさに八面六臂のスーパーヒーローです。
ガン治療にも効果あります。マクロファージを活性化しますし、ガンの転移抑制にも有効。
この他、視力が回復したとか、白髪がなくなった、皮膚や爪がきれいになった、精力がついたなど、魅力的な効能も巷間に伝えられています。
最近ブームが去ったようで、サプリも過生産。うんと安くなりました。
サプリ通にとっては買いどき。純度も高まってこれからが旬であり、おいしい摂りごろです。私も摂り始めました。
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クロロフィル
強い抗酸化作用で発ガンを抑制します。
ほうれん草、明日葉、ピーマン、ニラ、緑茶、青汁
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アリシン
抗酸化作用は強力で、発ガン物質を解毒する酵素をサポートします。
にんにく、ねぎ、玉ねぎ、ニラ
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<カロテノイド>
βカロテン(モロヘイヤ、にんじん、ほうれん草、春菊、小松菜、かぼちゃ)が各種のガンの予防に幅広く効くことは知られてますけど、
αカロテン(にんじん、サツマイモ、かぼちゃ、ブロッコリー、サヤインゲン、グリーンピース)は肺ガンや皮膚ガン
ルテイン(ケール、ほうれん草)は皮膚ガンや大腸ガン
フコキサンチン(こんぶ、わかめ、カキ貝) も発ガン抑制、増殖防止というふうに、けっこう抑制効果があるそうです。
特筆すべきは
リコピン(ミニトマト、すいか、グレープフルーツ)です。
リコピンは、体内では肺と前立腺にたまってその部位のガンを防いでくれるので、肺ガン、前立腺ガンの方には、特に強くおすすめしてます。
前立腺がなくなってしまったひとの場合、リコピンはどこに溜まるのか、わかりませんけど、とりあえず多食しとけば間違いないでしょう。
多食しても、サプリで高濃度のものを摂らなければ、副作用はありません。
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アラビノキシラン
お米でいえばぬかに多くふくまれるもので、強い抗ガン作用が脚光を浴びてるようです。
アラビノキシランは、それを濃縮して取り出したものを、何万円というとんでもない値段をつけて販売していますが、小麦胚芽の形で買えば、2000円ほどでたくさん購えます。
それでじゅうぶんです。
小麦胚芽はチョイ甘で、それだけでもおやつにさらさら食べられますが、味噌汁やスープ、ジュース、野菜の煮物など何にでも混ぜて、いくらでも摂ることが可能。
玄米は食べにくくて口にあわないという人でも、白米とは別におかずに混ぜて食べれば食べられるはずで、ふつうに玄米を食べる以上にアラビノキシランを摂ることができるでしょう。
《 出血患部のある方はご注意!! 》
ガンを防ぐには有効なものと思われますが、ぬか、胚芽、およびそれらを濃縮したサプリなどには、このアラビノキシランとともにフィチン酸というものがふくまれており、この物質は血小板の働きを弱めます。
つまり、出血をともなう患部では、出血が止まりにくくなるということです。
胃ガン、大腸ガン、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、腸炎など出血が想定される疾病においては、炎症、ただれ部が広がって、たいへんヤバイです。
わたしへのご相談なくおはじめになった方、大腸がただれてしまい、ガンへの加療にくわえてただれの修復もせねばならず、ガンへの対処が遅れてしまいました。
ご注意ください。
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核酸
細胞の新陳代謝を活発化し、老化を防ぎ、ガンを予防します。
魚のしらこ、煮干し、海苔、貝類など。
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インドール
発ガン物質を無毒化してガンを予防します。
植物ホルモンで、キャベツとか、ブロッコリーなど、アブラナ科の野菜に多くふくまれてます。
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アルカロイド
トマト、なすなどナス科の野菜
ガン細胞増殖を抑制
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βグルカン
しいたけなどきのこ
免疫を高めて、ガンを防ぐ
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ビフィズス菌
免疫を高め、発ガンを抑える。
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オリゴ糖
人間の消化酵素では消化できないものがたくさんあって、それが腸に至り、ビフィズス菌の養分になり、ビフィズス菌を増やします。
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せまい知識で、以上のものを取り上げてみましたが、ガンに効きそうなものはまだまだあるはずです。
しかし、知識はせまくてもいいのです。
要は、いかにストレスを感じることなく、それらの成分を食物から恒常的に摂っていくかです。いくら知識が広くとも、途中でやめちゃ、なんにもなりません。
ある患者さんへのメールに書いたことがあります。
「『食事療法』という考えでは甘いです。療法ではなく、『改善し新たに構築した食事形態』と考えるべきです。つまり、ガンがよくなったらやめてしまうものではなく、残りの人生ずっと食べ続ける、新たなる食事だと考えるべきです」
逆にあまりに極端にストイックに走ると、大きなストレスがかかり、気力が萎える結果となり、反動で、いけないものを貪ってしまうかもしれません。
この先一生食べ続けるものなので、ギリギリに自分を追い込まず、少しゆったりめに3歩進んで2歩下がるくらいの感覚で、とにかくずっと続けてください。
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