肝硬変

肝硬変は

かんたんには寛解する病気ではありませんので、ゆったりめの間隔で気長に施術を受けてください。
大酒でも飲んでいないかぎり急激な悪化というのは考えられないので、肝硬変の宣告を受けて短く設定されてしまった寿命を少しずつのばしていくという心構えでやっていってください。

アルコールをふくむ毒物を摂取すると、肝臓に運ばれて分解処理されるようになってますが、その毒性が強烈だったりすると、肝臓はダメージを受けキズが残ります。そのキズを修復するために、瘢痕組織というものができます。
その組織は通常の肝組織とはちがい、カサブタのようなものなので、肝組織の代理はつとまりません。肝臓としてはたらきません。ただキズをカバーして、それがなおるまでそこに存在してるだけです。

しかし、その毒物が次から次へと多量に入ってくると、一時的に存在するだけだったはずの瘢痕組織が残っているうちに、次々と新しい瘢痕ができ、やがて肝臓全体が瘢痕だらけになってしまいます。肝組織としてはたらくことのないカサブタばかりの肝臓・・、それが肝硬変です。

しかし、まあいっぺんにそこまでいってしまうわけでもありませんので、瘢痕がいっぱいできていても、まだまだ健常な肝組織は残っています。
すくなくとも患者さんが歩いて当院にやって来られるうちは、残ってるはずです。まだ歩くだけのエネルギーを産生できているわけですから。


門脈圧の亢進、食道静脈瘤、黄疸

末期でなければ通常は、2、3回も受ければ出ていた黄疸はひいてきますし、門脈圧の亢進もおさまってきます。それにともなって食道静脈瘤も縮小、乃至は解消していきます。
カサブタによって周囲をとり囲まれて身動きできなくなっている小さな肝組織も、少しずつでもつなげ血流を送り、大きくよみがえらせることで、働ける肝臓をとりもどしていきます。

外形もよいほうへ大きく変化します。健康なときはつるんとしていたはずの肝臓が、肝硬変になると色黒くなり、まるで大きなクワの実のように、デコデコした外形になっているわけですが、施術をかさねると、そのデコデコが少しずつなくなっていき、なだらかになります。完全なつるんにもどすにはけっこうかかるでしょうけど。
何人もの患者さんが、病院でのエコー画像でご自分の肝臓がそのように変化するのを確認、うれしそうに報告してくれています。もう1年以上通っていらっしゃる方々です。
しかし、完全なつるん状態にもどるには気の遠くなるような年月、施術回数が必要でしょう。

血小板数の回復・実例

病院での肝硬変の治療をはじめて受けたばかりの方(女性)からメールをいただきました。
「今日、血液検査を受けたところ、いつも6万くらいだった血小板が12万になってました」とのこと。
たいへん遠いところからの受診で、ショートステイして三日間連続で受けた結果です。
お帰りになるとき、
「黄疸が出てたのがなくなったようです」
とうれしそうに言ってらしたので、そのときすでに効きめを体感していらっしゃったことと思います。

また、三か月ほど前に受けた方では、受診前2万くらいだった血小板数が、1か月間4回の受診で11万になったケースもあり、血小板数の早期回復や黄疸の明瞭な改善は、当院の肝硬変の治療では日常的な成果となっています。

と、ここらあたりまでは急速な改善をみることが多いです。
しかし、そこからが真価を問われるところなのですが、そのまま寛解まで急坂を駆け上っていったという方がいらっしゃらないのが現状です。

脾臓の肥大

肝硬変の場合、通常脾臓が2、3倍になっている人が多いわけですが、施術によってこれも縮めていきます。
これについてはサイトの「脾臓のページ」にくわしく書いてありますのでお読みください。

施術を受けている間は血小板数が上がっても、脾臓が腫れたままでは、またもとのように減っていってしまう可能性が高いです。血小板が減るとケガしても血が止まらなくなったりします。血小板だけでなく、血球全体が減少するわけですが・・
ですから、どうしても脾臓は絞ってきれいにしておかなければなりません。

肝硬変の場合は通常の脾腫より脾臓も固くなっていることが多く、柔らかくしてから絞るという作業のくり返しとなり、こちらのほうは遅々たる改善となります。
しかも、この脾臓を絞ることによって、汚れた血液が流れだし、しばしば腎臓や尿管がつまります。放置すれば尿毒症になり危険ですので、それも施術して流すようにするわけです。こうした副次的な作業も追加されるので、肝硬変への施術はいよいよ難しいということになるのです。

しかし、施術を続けていきさえすれば、少しずつでも改善していくのは確かです。

マーカー M2BPGi

M2BPGiによる大ざっぱな分類では、
健常者1.00未満  慢性肝炎1.00~2.99  肝硬変3.00以上
ということになってるようですが、通常施術してますと、4ちかくあったひとが、2.5とかになります。するとご本人は、3未満になったんだから、自分はもう肝硬変ではなくなって慢性肝炎にレベルダウンしたんだと思うわけです。
しかし、客観的にみて、それは肝硬変がなおりきった状態ではないでしょう。線維化部分のうち、それほど進んでいなかったところが健常に近い状態にもどったにすぎないということなのでしょう。

数値の下落が患者さんの気持ちを明るくし、病状のさらなる改善にいたってくれれば言うことないわけですが、ホッと安心して、またお酒を飲みだすといったことではこまります。
そこらあたりで油断せず、メンテナンス施術ていどでも引き続き受けていってください。長丁場になるので、頻繁ですとなかなか続けられないでしょうから・・



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