肝・脾・腎
肝臓と脾臓はタイアップしてはたらく臓器であるため、両方健康でないと共倒れになってしまいます。ですから、当院ではこの肝臓、脾臓に、腎臓をくわえた三つの臓器を一体のものとして施術加療しています。
この三つの臓器の健康をとりもどすことは全身健康の要であり、基礎です
肝臓と胆汁、そして乳び槽
肝臓から分泌される液に胆汁というものがありますが、これは油脂分を消化する消化液です。胆汁は肝臓を出ると、いったん胆のうにたくわえられますが、食べたもののなかの油脂分が十二指腸にくると、胆のうはキュッと縮んで胆管から胆汁を噴出します。そして、消化された脂肪分は、おおむね小腸に吸収され、乳び槽という小さな桶のようなところへ送られて、水分ばかりのリンパ液と混合され全身をめぐり、エネルギーとなっていきます。
水分と油分がまざると、その混合液は乳色になりますので、それをためておく場所を乳び槽と呼ぶようになったのです。
さて、肝臓が弱いと胆汁の出が悪くなり、その結果油脂分の消化、代謝が落ちて、身体にまわるはずのエネルギーがじゅうぶんまわらなくなってしまうということになります。
また、胆汁は脂肪を消化するだけでなく、強力な殺菌力があるため、種々の細菌やウイルスを排除するという、別の重要な役割もになってくれています。
つまりその力によって、全身の細胞へのエネルギー供給と殺菌作用の両面から、身体に活力を与え、健康を保たせてくれているわけです。
リンパの親玉、脾臓
脾臓は多くのリンパ液が集まる、リンパの親玉のような存在です。とくに脈動してるわけではありませんが、リンパの心臓という人もいるくらいです。脾臓がぐあい悪いとそうしたリンパの流れも当然悪くなり、リンパによって全身をめぐる脂肪の流れも細りますから、エネルギー不足から肝臓もじゅうぶんに働けなくなってしまいます。
つまり、肝臓と脾臓はともに健康であってこそ、スクラムを組んで全身を健康に保ってくれるわけなのです。
とくに脾臓は肺炎やインフルエンザなどのウィルスにたいする免疫能をもっているそうです。また、その他の病気についても、脾臓を切除した人とそうでない人でなおる早さがちがうという比較統計もあるようです。
まだ医学の進歩がじゅうぶんでないので、それ以外にもあるだろう、まだ発見されていない脾臓の働きを、すべて説明しきれてはいません。私もそれに輪をかけてわかっていません。
しかし、脾臓を中心に施術加療を展開すると、だいたいの病気はよくなる、よくなりやすいということが経験的にわかっているので、当院では、どういう場合でもだいたい脾臓から施術しています。
→ 脾臓
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