細気管支炎と肺気腫
タバコの煙や工場排気、車の排気といった有害な物質が長期にわたって肺を刺激すると、細い気管支に炎症を起こして、咳や痰が多くなります。その結果、気管支の内側が狭くなり、空気の流れが悪くなります。こういうのを細気管支炎と呼んでるそうです。有害物質の刺激が肺胞にまで達して炎症を起こすと、肺胞の壁がこわれて、くたびれて伸びきったゴム風船みたいに弾力がなくなり、空気をうまく吐き出せなくなります。こうした状態になると肺気腫と呼ばれます。
COPDというのは、細気管支炎や肺気腫が起きて、肺の空気がうまく吐き出せなくなり、その結果酸素不足を起こし、息切れを起こす病気です。
細気管支や肺胞に炎症を起こすと、一生尾を引く肺機能の低下を起こします。残念ながら、一度破壊され、変化を起こした肺を元に戻すことはできません。
しかし、早く病気を発見して治療を続ければ、症状を和らげたり、病気の進行を遅らせることが可能だそうです。
肺ばかりでなく、虚血性心疾患や骨粗鬆症、糖尿病など、COPDが引き金となって全身にさまざまな病気も引き起こします。
同じ量のたばこを吸っていても、COPDの人はそうでない人に比べ、約10 倍肺がんになりやすいといわれています。
実例から
もうだいぶ前になりますが、奥さんのつきそいでいらしていた方が 「わたしも診てもらえませんか。健康診断でひっかかって、精検受けたらCOPDって言われたんですよ。わたしのほうは月一回でいいですから、よろしくお願いします」 と言い出されて、施術をはじめました。右肺の上部にきつめの手ごたえがあったので、そこをめがけて手ごたえに負けじと思いきりパワーをかけたところ、おわるころにはなにも感じなくなっていました。
その初回の受診後、それまで階段を二階まであがるのに途中ぜいぜい言いながら休んでいたのが、
「走って駅の階段を上がれました」とのご報告を、二回めの施術の際に受けました。。
「なんだか、施術が終わって歩きだしたら、妙に身体が軽くなったような気がして、べつに無理して駆け上がったわけじゃないんですよ。ごく自然にです。」
そんなにかんたんになおるはずの病気じゃないので、私をよろこばせようと思って言ってるんだろうと首をかしげましたが、奥さんもいっしょになってビックリしました~!とうれしそうにおっしゃっるので、私もすっかり気をよくして、二回めも思いきりパワー全開でやりました。
当初の1カ月くらいは奥さんといっしょに週1回受けてらっしゃいましたが、その後奥さんの病気が寛解して月に1回になると、ご自分もあわせて月1回に。
それから1年くらいでしたか、月一、二回受診なさいましたが、当初出ていた咳もすぐに出なくなり、ご本人のお話では、まったく症状がなくなって平気になりましたとのこと。
だいたいはより重篤な他の病気の治療のついでの施術ではじまるのですが、当院では、こういう経過をたどる方がほとんどです。改善し生活に支障なくなったあとどうなるのかまでは、通院をやめてしまうのでお話も聞けず確認できていませんが、メンテナンスで継続通院していらっしゃる方については、みなさんその後なんの問題もなく、スポーツなどして生活していらっしゃるようで、再発したといってかけこんで来られる方も皆無です。
レントゲンなどで爾後検査してくれるお医者さんの話によれば、進行が止まったものについては、そのまま固まってしまって、ずっと残りはするが、生活には支障ないだろうとのこと。
病院で診断が出たら、早期に受診してください
軽症のうちなら、施術回数はそんなに多く必要なくて、ほとんどの場合2~数回です。上記のひとのように、息が苦しくて階段を上り降りするのも大変だった人が、初回施術の帰りにはもう階段を駆け上がったというような話も、その後しばしば聞きます。まあ、それで完全に寛解したわけでもないのですが、この病気にかんしては症状さえなくなればうれしいかぎりです。ぶり返しについては、どの方の場合もほとんど感じられないので、当院ではそれほど重篤な病気ではないと思っていますが、通常の治療では改善しづらく、また肺ガンになる確率もけっこう高いとのことで、案外やっかいな病気のようです。
この病気は、長年にわたってタバコを吸ってきた人にとても多く起きるそうですので、気になる方は病院で検査を受けてみてください。 そして、病院の治療は受けながらでも全然かまいませんので、COPDと診断された方は、当院へいらしてみることをおすすめします。
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