分子標的薬の併用

抗ガン剤の一種、分子標的薬との併用についてはほとんど問題ありません。ガンにたいする抑止という意味でよくはたらいてくれます。
施術のみで治そうとするよりも、ずっとスピーディに効率よく治癒の階段を上がっていけるようです。

しかも、ガン特有の分子だけをねらって攻撃するので、健常細胞への影響も比較的少なくてすむみたいで、免疫へのダメージもさほどではなく感じます。
通常の抗ガン剤との併用ですと、治癒反応 で熱が出るといったことはあまりありませんが、分子標的薬の場合は施術のみでの治療の場合とおなじように、施術を受けはじめてしばらくは少々は熱も上がります。したがって、薬をやめてからの免疫再建も容易にできているのではないかと思います。

とくにジオトリフ、タルセバ、といった肺ガン用のものは、効果も明確にでることが多く、いいようです。
ガンが全身広範囲にわたって広がっていて施術の手がまわりきらないようなケースでは、抗ガン剤に助けてもらうことは必要ですが、とくにこうした分子標的薬との併用は有効です。

分子標的薬はそれ単独でガンを治しきる力はないというのが定説のようですが、それでかまいません。ガンの破壊と融解を分業でやるような形で施術していきますので、じゅうぶんよい相棒になってくれます。
それにくわえて、患者さんそれぞれのガンに適合した分子標的薬さえやってくれていれば、安心して施術間隔をあけることができますから、月に1、2度しか来られないような遠方の方にはこちらからおすすめすることもあります。

分子標的薬は最初はガツンと効いたと思うのに、連用していくにしたがって効きが悪くなったように感じるひとが多いようです。つまり、せっかく飲んでるのにジリジリとぶり返してきてガンが増大し続けているというケースがたいへん多いわけですが、そういう方でもその分子標的薬はそのまま継続しながら、施術を受けはじめていただければ OK です。劣勢だった病状が反転、治癒方向に押し返しはじめるといったケースが多いです。
施術によって薬の効果がリセットされる(ステロイド、抗ガン剤などをリセット)ということもあって、最初の効きを再現していけるので、よけいいいようです。

ただ、分子標的薬も永久に使えるわけではありません。年単位で使っていると身体がバカになって、リセットもあまり効かなくなるようです。リセットといっても、患者さんひとりひとりの状態によってちがう結果が出ますし・・
やはり、分子標的薬による治療をスタートするとき、同時に施術を併行してはじめるのがいちばんいいようです。短期で、はっきりしたよい結果が得られます。

以下は使用状況。(このほかにも多数の方が併用していますが、ほぼ下記に近い併用経緯となっています)

なお、 薬剤は脳には入れないので、脳転移腫瘍に関しては併用の効果はなく、施術の力のみで治しています。もちろん、原発の病巣(たとえば肺、腎臓など)については併用しているということになります。


ジオトリフ

は特にいいようです、それもだいたいの方に。通常の硬ガン剤は脳にまでは入れないわけですが、ジオトリフの場合はいくらかは入るようです。ただ間質性肺炎が心配。
例をいくつか 

タルセバ

もいいですが、上記ジオトリフと同様、間質性肺炎の発症をいつも心配しながらやってます。
最初CEAが370あった方、施術をはじめて1ヶ月ほどして、タルセバを併用しはじめました。3ヶ月後にはCEAは102、その次の月の検査では8.8、その次には2.4、半年後には1.8と急速な改善をみました。当初咳が出、胸苦しさがありましたが、いずれも初回の施術でなくなり、以後状態もたいへん良好です。しぶとく残っていた原発の手ごたえも消えたように感じます。
追記》 この方、治りました。

また、肺から骨盤への転移があった方、それらがすべて消えたころになって、こんどは脳転移がみつかりました。
「いくつくらいできてますか?」と聞いたところ、お医者の返事は
「何十個だか、そんなの数えられませんよ」とのこと。
CT画像を見るとたしかに、まるで脳全体にイクラをぶちまけたかのようにいっぱいできてました。
こんどは脳にマトをしぼってそのイクラつぶしに専念。
くり返し思いきりパワーをかけての施術をこころみたところ、イクラの数は激減し、ひとつふたつとかぞえきれるほどになっていました。
追記》 この方は、脳転移のぶんはすべて消えたのは画像で確認しましたが、その後事情があり、通院できなくなってしまったため、当院で最後まで治しきることはできませんでした。

だいたいはよい結果が出ているわけですが、しかしうまくいかないケースもあります。
タルセバを10ヶ月もやったのち、効かなくなってから施術を受けはじめた方で、逆にマーカーが上がっていって心配になり施術をやめてしまった方もいらっしゃいました。
やはり他の抗ガン剤同様、タルセバも使用の初期から施術を受けたほうがはるかにカタいようです。

アバスチン

はあまり効いたという実感はありません。(ゼローダなどふつうの抗ガン剤も併用してのことですが)
大腸ガン切除後肺への多数転移というパターンの方、いずれも施術前までは増大傾向でしたが、施術を受けはじめるとみなさん咳はとまり、呼吸も楽にはなりました。
しかし、そのていどのことなら施術のみでもすぐそうなりますので、併用パターンがいいのかどうか、いまだにわかりません。
その他の方も同じような印象です。

ヴォトリエント

心臓滑膜肉腫の方、1年以上連用していらっしゃったそうですが大きさは変わらなかったとのことでした。
そのまま継続して飲み続けてもらいながら、週一回の施術を3ヶ月受けたところでCTを撮ると、白かったガン部に黒い池のようなものができているとのこと。
お医者の見解では壊死した部分に水がたまってるのだろうと・・
その後の検査でも壊死したらしい黒い部分がけっこう大きくなったとのことでした。
ところが、通常なら歓迎すべきことですが、壊死したものが二枚の膜の間で水を吸ってふくれたとのことで、心臓が圧迫されたらしく、胸苦しくなり、通常の抗ガン剤にきりかえられてしまいました。施術は効いたようではありますが、結果がこれではいけません。

アレセンサ

じわっと効いていいようです。ALK融合遺伝子陽性の肺ガンの方。
頭骨や胸骨、大腿骨などに転移ありましたが、ご本人は病気のことをまったく気にせずに生活できるようになりました。
ですが、安心して2週間3週間と間をあけるとぶり返すようで、症状がまた出始めます。
追記》 この方は治りきる前におやめになってしまい、最終的な結果はわかりません。

スーテント

これはだめでした。
4年前、胃GISTは切り取り、グリベックを飲みはじめたそうですが、そのまま4年間連用しているうちに腎ガンが別途発生。結局GISTと腎ガン両方に効くと思われたスーテントを飲み始めたところで当院施術も受け始めたという、複雑な病歴の方。すでに肝臓に転移し、腹膜播種も多数発生してました。
わたしが下手をうったのか、スーテントがこの方のガンに効かなかったのか、あるいはその両方だったのかはわかりません。当初からあった原因のさだかでない腹部の痛みが、いったんはおさまっていたのですが、再びはじまっておさえきれなくなったため不安になり、離脱されました。病院での検査でも痛みの原因はよくわからなかったようです。


やはり分子標的薬という名前さえついていればどれでもだれにでもよく効くというものでもないようです。



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