脾臓(脾腫)

脾臓の位置

脾臓は、左後背部の肋骨の内側、胃の後ろにひっそりと存在している臓器です。


脾臓のはたらき

通常脾臓は、劣化した赤血球を濾し網ですくいとるように濾しとり、分解し鉄分をとり出して、新しい赤血球の材料として廻してくれます。脾臓のはたらきが悪くなると、そういう機能が弱り、壊すべき古い赤血球の選別もできなくなり、血は汚れ、活力を失って、さまざまな病気の原因になっていきます。
また、身体に浸入した菌やウィルスなどをやっつけてくれるリンパ球をつくっていますから、脾臓がぐあい悪いとそれができなくて、インフルエンザとか肺炎といった、いつもならすぐ治るようなちょっとした病気にもかかりやすくなり、かかると治りにくくなります。

  → 血液、リンパ液の浄化、整調

処理すべき劣化した赤血球が、なんらかの原因で処理能力以上に大量に発生し流れこんでくると、脾臓は処理しきれずに、濾し網の上にたまります。そういう状況が一時的ならいいのですが、長く続くと次から次へと流れてきて、未処理のままどんどんたまっていきます。
白血病の場合は、まともでない白血球が大量にできてしまうので、やはり濾しとられてたまりますし、多血症の場合は、余分に赤血球ができてしまうので、血中にたくさんまわらないよう、あるていどは脾臓が貯めて調節します。

そうやってよけいな血球が、ゴミとして濾し網の上にどっさりたまると、脾臓は身動きできなくなり、血液を浄化、調節する機能を失っていきます。
古い赤血球がそのまま放置され循環するため、血液自体活力を失っていきますし、いっぽうリンパ球をつくる能力も落ちるので、当然それにつれて免疫も落ちこみます。

それからまた、脾臓には血小板をためておき、必要に応じて放出して血中にのせるというとくべつな機能もあるのですが、そういう機動的なお仕事もできなくなります。
よく肝硬変などで脾臓が腫れると、血中の血小板が激減し、出血したとき血が止まらなくなってヤバい、といった状況になりますが、それは脾臓の機能低下によってたっぷりかかえこんでいるはずの血小板を、放出しなくなって(あるいはできなくなって)しまうからです。
もちろん、1、2度施術して脾臓をしぼれば、汚れた赤血球とともに血小板もどっと出てきて、すくなくともヤバくはなくなりますが・・


脾臓の腫れ

脾臓はとてもやわらかな臓器という意識が私にはあります。なぜなら、けっこう伸縮幅が大きくて、そうとう腫れてもパンクしそうにないからです。そしていっぽう、施術によってわりと急速に縮んでいくのも確かです。

通常はこぶしくらいの大きさのものが、腫れると2、3倍、あるいは数倍にも、さらには10倍、20倍という巨大脾臓の方もいるくらいのびます。そういう場合は、胃、肺、肝臓、腎臓といった周囲の臓器を圧迫するのはもちろん、腰にむかってたれ下がるように伸び、腸、卵巣まで押圧することもあります。
身体の前から触れると胃が部分的に腫れているように感じられ、てっきり胃ガンだと思うようなケースもありますが、CTで検査してもらってもそうしたものはなく、ただ脾臓が巨大化して胃を圧迫しているだけだということがわかるわけです。
巨大化してもほとんど破裂はしませんが、交通事故などで左腹部がひどく圧迫されての破裂というのはあります。


はげしい疲労感

いくら破裂しないからといっても、もちろんのびすぎはよくありません。それなのに左の背中の下の方までビロンとのびている方がけっこういらっしゃいます。
こういう人は疲れがひどく、朝ベッドから出るとき、もう「疲れた~」という状態になるそうです。
お医者へいくと、もっとよく眠りなさいとばかり、睡眠薬を処方されたり、あるいは肝臓が疲労しているんだろうと、ビタミンAのたっぷり入った錠剤をくれたりするそうですが、いずれも見当はずれです。

浄化できず汚れたままの血液が身体をぐるぐるまわってるだけなので、そのままでは何を飲もうと永久にシャキッとはできません。比較的軽度の尿毒症のような感じです。


脾臓が腫れる原因

慢性的な感染症があったり、さきほどご説明したように、白血病 や悪性リンパ腫、あるいは真性多血症など血液の病気があって、脾臓が処理しきれないほど多くの汚れた、あるいは異形の血が流れこみ、たまってしまうからのようです。

身体がどんどん不完全な、あるいはよぶんな血球をつくってしまう、血液のガンのような病気の場合は、いくら脾臓をしぼって小さくしても、そうした血球が次から次へと流れこみ、すぐにまた大きくなってしまうので、当院では治しきれませんが、そうでなければだいたいは治ります。


脾腫による胃など他臓器の圧迫

極度の食欲不振や原因不明の胃の痛み、ひんぱんな嘔吐、胃潰瘍、あるいは胃ガンなどで当院へいらした方の多くは、脾臓が腫れています。脾臓は胃のすぐ後ろにありますから、脾臓が腫れると胃を圧迫して食べ物が入っていかなくなり、栄養が摂れなくなってしまいます。早いとこ施術を受けてもとに戻しときましょう。

脾臓が腫れているのに気づかないまま、胃や肝臓などと併行して施術しはじめると、突然左後背部に疼痛が出、ウ~ッとうなる方がいらっしゃいます。それだと、けっこう腫れてるほうです。
ちょっとした、2倍くらいの腫れなら、そうしたこともなく、私の手ごたえに出るていどで、「そこジンジンします」などと言いながら、てっとりばやく縮んでいくようです。
施術によって脾臓が収縮していくとき、そこがムズムズしたりもするので、ご本人でもわかることがあります。

脾臓が腫れてぐったりしていた人は、だいたい1回施術すると、急に元気になります。
でももちろん、それだけで完全によくなったわけではありません。血液の汚れ=身体の汚れは、いちど脾臓を掃除するくらいでは、なかなかとれません。
いちど脾臓がスッキリきれいになっても、まだまだ残っている身体全体の汚れが、ドッと押しよせてくるようで、すぐにまた汚れでいっぱいになってしまいます。
なので、元気だったのが施術して1日だけというようなことになり、あとはまたズルズルと疲労感のぶり返しに飲みこまれていってしまいます。

くり返しの施術が必要です。それだけ、あなたが脾臓を、ご自分の身体を、軽んじ痛めつけてきたためで、他の誰のせいでもないのですから。くり返し施術を受けて、さっさと治してしまいましょう。
疲労感のぶり返しまでの間隔は施術回数に比例してのびていきます。

原因不明の疲れがひどくて、仕事にならないとかいう人は、脾臓の腫れが大いに考えられます。
何事につけやる気がなく、集中力もない状態で、ご家族に「うつ」ではないかと言われていらっしゃった方でも、診てみると脾臓が腫れていたからだということがわかるケースもあります。


脾臓を健康に保つには

汚れを口にしないことです。それにつきます。かんたんな表現をすれば、体内に入ってきた汚れ、それも肝臓で分解しきれない汚れを身体本体から分離し、自分で引き受けようとして、脾臓は疲弊するのです。
たとえば生肉、生魚などは、虫やばい菌の宝庫です。
これらのほか、農薬、防腐剤、放射能、排気ガス、工場排水などなどに汚されたものも口にしないことです。
君子でなくともあやうきに近寄ってはなりません。
そうした汚れはすべて肝臓が処理します。口当たりのいいものならなんでも考えもせず食い散らかすというような乱雑な生活をしていると、肝臓は汚れを処理しきれず、オーバーフローしたぶんは脾臓にどっと流れこむというシカケになってます。そうやって自分で自分の身体を痛めつけてなにが面白いのか私には皆目わかりませんが、前世からの悪いクセに押し流されて生きているとでも思うしかないでしょう。

腫れた脾臓 = 脾腫 への施術・・、脾臓をしぼる

こうした脾腫というものにたいして、通常の病院では、脾臓を切り取る以外ダイレクトにそれをしずめるような的確な治療はないのが現状のようです。部分的に焼灼して切り詰めるといった術はあるようですが、根本解決には至らないと思ったほうがよさそうです。だいたいはあちこち遠まわしにいじられてるうちに腫れがひどくなり、しまいには切り取られてしまいます。
しかし、長生きしたかったら、切り取ってはいけません。脾臓がなくなると、通常なら当然乗り越えられるレベルの病原菌の感染をクリアできず、たいしたこともない菌によって重篤な感染症におちいり、寿命を大幅に縮めることでしょう。

たとえ運よくそうならなくとも、脾臓がなくなると、脾臓のやっていた仕事を他の臓器(主に肝臓)が代わりにやらなくてはならなくなり、そうしたよけいな負荷によって、その臓器は消耗し疲弊するので、同じように寿命を縮めるのではないかと思われます。
せっかく90ていどはらくに生きられたはずの人が、70くらいでかんたんに果ててしまうかも・・

脾臓が腫れているとお医者さんに言われた方はもちろん、この記述を読んで、もしかしたら腫れているんじゃないかと思いあたられた方も、いちど当院にいらしてみてください。
当院では、肝臓、脾臓、腎臓を一体のものとして、常に健康に導くよう施術しております。日々元気にはつらつとして生活するには、これら枢要臓器の健康は欠かせません。

施術によって腫れた脾臓をしぼる(といっても手のひらで物理的にぎゅっとにぎりしめるわけではありません)と、翌日あたり、濃い茶色やオレンジ色のオシッコや、乳白色のオシッコが出たりすることもあるそうです。その成分が何なのか私には定かではありませんが、茶色やオレンジ色のはたぶん血液の汚れに相違なく、乳白色のは不要な白血球が混じったためだろうと思われます。
そうした荒療治をしたあとは、その次の施術の際、腎臓が痛ましいくらい腫れている場合も多く、そういうときには、こんどはしばらく腎臓用の施術が必要だったりします。おそらくは、汚れてたまっていた血液を無理やり一気にろ過させられたため、くたびれきったものでしょう。ストレーナがゴミの山でつまってるといったイメージでしょうか。

ガンへの施術の一環として脾臓を施術していった場合など、人によりブクブクゴボゴボと、まるで消化器が食物を移動させているかのような音をたてる場合があります。
これは、汚れた血や脂っけなどがどろどろたまって身動きできなくなっていた脾臓が、施術によってはげしく動きはじめるためであろうと思われます。腫れて死んだようになっていた脾臓が活力をとりもどして、自力活動をはじめたしるしでしょうか。
あるいは、腫れた脾臓に押されてつぶれていた胃が、身動きする余裕ができて、急にのびのびと活動をはじめるからでしょうか・・


アトピー

重症のアトピーの方で、脾臓も肝臓もつまってかたくなっていたケースでは、その両方、つまり左右両背から同時にゴボゴボ音がでたこともあります。
アトピー、つまり排出しきれないゴミが身体にたまってる病気では、このように脾臓だけでなく肝臓をしぼってのゴミ出しも必要になります。
女性の場合ですと、卵巣にもたまるので、ついでに卵巣の掃除も必要です。
その方から施術翌日とどいたメール
「脾臓と肝臓のつまりが音を立ててぬけたおかげか、昨日の夜はベッドの中で暑くて汗を多くかきました。今日はウエストが細くなりむくみも減りました。
耳の裏のリンパの流れも良くなったので顎も凝らず顔も小さくなりました。
肌にもいい影響が出てくるといいです。」

・・、しかし、アトピーの場合、こういった改善があっても、ほうっておけばまたもとのようにつまっていってしまいます。やはりこうした慢性の病気は、自律改善の軌道にのるまではこまめに施術をうけることが必要でしょう。


肝硬変

肝硬変の方でも脾臓と肝臓両方からグーグーゴボゴボ音がでたりします。
肝臓が硬くなって機能できる部分が小さくなると、どうしても処理しきれないゴミが脾臓にたまりますから、そうなるのもあたりまえなのかもしれません。

肝硬変のひとの場合肝臓もいっしょになおすので、どんどん肝臓からあらたなゴミがでてくるようで、脾臓はしぼってもしぼってもまたすぐたまって腫れてしまいます。
肝臓、脾臓両方の汚れがきれいになるまで、くり返し施術を受ける必要があります。肝臓の硬変部分が多少なりともやわらかくなり鮮血に満たされるようになれば、そこそこ健常な人とそん色ない日常生活が送れるようになるわけですが、そこにいたるまでにはけっこう日にち、回数がかかります。

  → ブログ記事 肝硬変 にくわしい記述があります。


脾臓、寛解への道すじ

くり返しになりますが、おおまかにいって以下のようになります。いずれも患者さんからのご報告をまとめたものです。

初回施術の翌日あたりは、身体にキレがもどり、シャキッと背すじものびて、クリアな脳ミソで生活できるとのことです。
最初からぐったりしていたひとはそれがよくわかりますが、ご自分が疲弊していたことに気づかず生活していた方、お医者さんに脾臓が腫れているといわれて当院へいらっしゃったような方は、その段階でいきなり脳ミソと身体に若いころのキレがもどるため、思いがけずびっくりなさるようです。
「いままで、ずいぶん疲労していたことがわかりました」
とおっしゃる方も多いです。

汚れたままの血液をまわして生活していたのが、急にきれいな血液になってしまうので、当然そうなるわけです。
このとき、主として左側ですが、腎臓が腫れて、腰痛みたいになることがあります。初回から術が深くはいると脾臓をしぼりすぎてしまうため、汚れがどっと腎臓に流れこみ、過剰な負担がかかるのです。
まあ、それも施術で浄化することによって日ごとに軽くなるので、心配はいりません。

なかには腰痛がひどいからといって、それが先で施術を受けにこられ、どうも腎臓が悪そうだということがわかり腎臓を施術していくうちに、最後に脾臓の腫れに気づいたというケースもあります。
さらには腎臓の下の尿管がつまるケースも多いです。澱のようになった老廃物がつまるのでしょう。お尻が痛いです。もちろん施術によって快通します。
最初から尿管がつまっていた場合は、まずそこをなおさないといけません。下流のつまりをなくして流れをよくしないことには、中流の腎臓、上流の脾臓もしぼってきれいにするまでにはいたらない理屈です。

初診から尿管がひどくつまっていた方で、そこが快通するまでに、週一で2ヶ月かかったことがありました。

さて、初回施術後のクリアな状態ですが、期待に反して1、2日しかもちません。すぐにもとのぐったりした状態にもどってしまうという方が多いです。上述したように、全身にたまってどんよりと循環していた汚れが、行き場所をみつけたとばかり、どんどん脾臓にあつまってくるからでしょう。
当然のことですが、これはくり返し施術を受けていただくことで、改善します。
1、2日しかもたなかったのが、1週間になり、2週間、3週間とクリアな状態で生活できるようになっていきます。
それにあわせて施術間隔をのばしていけばいいわけです。ぐあいが悪くなるたびに受けるという形でもよろしいです。

肝臓、脾臓に負担をかけそうな汚れた食を口にしないことと、くり返し施術を受けて健常な状態を保つようつとめることによって、腫れていた脾臓が縮み、やがて正常なサイズにちかくなってくると、脾臓自身が本来の活力をとり戻して自力で収縮をはじめ、最終的には施術しなくてもクリアな状態を維持できるようになっていきます。

クリアな身体で生活できるようになると、頭の冴え、身体のキレがもどって、生き返ったようになるので、それまでいかに自分がぼんやりと不明瞭な頭と鈍い感覚の身体で生きていたかを知るようになるでしょう。


脾臓への施術、遠方の方の場合

遠方にお住まいの方は、毎週のように通うということはできませんから、 ショートステイ型の集中施術 がよろしいかと思います。とくに最初だけはまとめてなんどか受けたほうが回復がいいようですから、おすすめです。
ご自宅で何か手当しようと思ったら、とりあえず脾臓は温めずに冷やしてあげてください。

脾臓が腫れて痛いうえ、腎臓も腫れているほかオシッコがつまって尿管まで痛むため、車椅子にのって新幹線でいらした方ですが、初回オシッコのつまりが抜けたのをてはじめに、最初の3日間で3回施術をお受けになり、帰りは車椅子なしで帰宅。2度めはその2ヵ月後、こんどは2日間で2回お受けになりました。その次も2ヵ月後に2回の予約。
ほんとうはもうすこし多めに受けたほうがいいわけですが、お家が東北のほうで時間がとれずしかたがなかったのです。しかし、そのパターンでとりあえず順調。

また別の方は、受けるたびに2時間連続で、それも多いときはそれを3日連続でお受けになります。
当然のことながら、いらっしゃるたびにステップアップするようによくなっています。



特発性間質性肺炎

パニック障害

ガンにたいする温熱療法は危険

HOME